Debian Gnu/Linux挑戦記(Sarge編)




◆ インストール 2004/10/4 


 現在、Sargeは、testingの状態にあります。そのため、下記のリンクの中には、時間の流れ
とともに、sidの環境に移行する状態にあるものもありますので、注意してください。ここのリ
ンク先は、あくまで、SargeがDebian Gnu/Linux 3.1正式版としてリリースされるまでのもので
す。


環境

 ・インストール用のコンピュータ

  CPUがPentium MMX 200MhzのコンピュータでCD-ROMブート不可。
  OSは、Fedora Core 2がインストール済み。

 ・作業用のコンピュータ

  Windows 98 SE搭載のコンピュータ。
  ブートフロッピーの作成とCD-Rにイメージを焼くのに使用。


必要なもの

 ・フロッピーブート用のイメージファイル

 floppy用imgファイル入手先

  ・asian-root.img
  ・boot.img
  ・cd-drivers.img(又は、net-drivers.img)

 ・フロッピーイメージ書き込みソフト

 rawrite3

  ・rawrite3.zip

 ・インストール用CDイメージ

 netinst CD イメージ (Debian ベースシステムを含む)

  ・sarge-i386-netinst.iso

 ・その他

  ・zip解凍ソフト
  ・iso形式のファイルが焼けるCD-Rソフト
  ・CD-Rドライブ
  ・CD-R 1枚
  ・フロッピーディスク 3枚
  ・インターネットに接続できる環境(今回は、フレッツADSL)


準備作業

 まず、適当なフォルダを作成し、フロッピーブート用のイメージファイルをコピーします。
その後、rawrite3.zipを解凍します。解凍したrawrite3.comをc:\Windows\commandにコピーし
ます。

 rawrite3.comをダブルクリックし、起動し、フロッピーブート用のイメージファイル、フロッ
ピードライブなどを指定し、3枚のフロッピーディスクにそれぞれのイメージファイルを書き込み
ます。

 ちなみに、今回は、CDイメージを使うため、cd-drivers.imgを使っていますが、CDイメージを
使わずにネットから直接インストールしたい場合は、cd-drivers.imgの代わりに、net-drivers.
imgを書き込んでください。この場合は、CDイメージは必要ありません。

 次に、インストール用CDイメージを焼きます。Win-CDRの場合は、Track Imageで焼きます。

 これで準備は完了です。この次点で、3枚のフロッピーディスクと1枚のCD-Rができたはずです。


インストール作業

 この作業では、ベースシステムだけをインストールし、後は、ネットからのインストールで必要
なファイルをインストールするようにしています。

 今回は、ネットからのインストールは、ADSLを使って行っていますので、インストール用のコン
ピュータとADSLモデムを既にLANケーブルで接続している状態でインストール作業を行います。
これは、インストール時に、ADSLモデムとの接続を認識させるためです。

 まず、CD-ROMドライブにDebian-InstallerのCD-Rを入れ、boot.imgを書き込んだフロッピーディ
スクをフロッピードライブに挿入し、コンピュータを起動します。次に、asian-root.img、cd-dri
vers.imgの順番で入れ替えていきます。

 そうすると、CD-ROMドライブのDebian-Installerが起動されます。

 あとは、メニュー通りにインストールしていくだけですが、気を付ける点は、この時点で日本語
の設定はしないことです。理由は、ベースシステムだけインストールした状態で、コンピュータを
起動した場合、エラーメッセージなどが文字化けして読めなくなってしまうからです。

 とりあえず、ここでは、キーボードの設定だけ、jp106にしておき、英語でインストールしていく
方が無難です。(キーボードの配列だけjp106にしておかないと、キー割り当てがキー表面の文字と違
うため、苦労します。)

 あと、気を付ける点は、pppの設定で、pppは、インストールしますが、設定はしないでください。
aptの設定は、無視して飛ばしてしまって構いません。

 この段階では、ベースシステムだけをインストールしておきます。以上で、基本的なインストール
終了です。

 ちなみに、カーネルは、2.6.8-1を選びました。

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◆ FLET'S ADSLに接続する 2004/10/4


インストール作業終了後

 前回のインストール作業では、ベースシステムまでのインストール作業を行いました。この状態で
は、DOSのような黒い画面が出てくるだけで、できることも限られます。ということで、必要なソフト
をインストールするために、インターネットの接続をしてみましょう。


pppoeの設定

 今回は、pppoeを使って、インターネットに接続してみたいと思います。pppoeは、ベースシステム
の中に含まれていますので、安心してください。

 1.root権限でログインし、「ppoeconf」と入力してください。

  # pppoeconf

 2.メニューに従って、必要な項目を入力していきます。基本的には、接続IDとパスワードを入力し
  てください。(フレッツの場合は、ID@プロバイダーの認識名をID欄に入力することを忘れずに。)

 3.設定は、/etc/ppp/peers/dsl-providerに保存されます。

 4.設定が終了したら、接続してみましょう。接続する時は、「pon dsl-provider」と入力します。

  # pon dsl-provider

 5.接続を終了する時は、「poff」と入力します。

  # poff

 以上で、インターネットへの接続は完了です。


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◆ aptを使う 2004/10/4


aptとは

 前回は、インターネットの接続までを説明しました。ここでは、いろんなソフトウェアをインスト
ールするのに欠かせないaptを説明したいと思います。


aptの設定

 まず、aptの設定をしましょう。aptでは、ソフトのある場所(CD-ROM、インターネットのサーバー)
などを設定する必要があります。この作業は、インターネットに接続した状態で行ってください。

 1.root権限でログインし、「apt-setup」と入力してください。

  # apt-setup

 2.メニューが表示されますので、とりあえず、「http」を選んでください。

 3.接続地域は、「Japan」を選んでください。

 4.いろんなサーバーが表示されるので、自分の最寄りの適当なサーバーを選びます。

 5.そのサーバーからソフトの情報を取得してきます。

 6.エラーが出た場合は、別のサーバーを選んでください。


aptの使い方

 1.root権限でログインし、インターネットに接続しておきます。

 2.入手したいソフトがわかっている場合は、「apt-get install ソフト名」と入力します。

  # apt-get install ソフト名

 3.そのソフトが見つかると、次に、そのソフトと依存関係にあるソフトの一覧も表示されま
  す。インストールする場合は、「y」を入力してください。インストールが始まります。

 4.現在入っているソフトを最新版に入れ替えたい場合は、「apt-get upgrade」と入力しま
  す。

  # apt-get upgrade

 5.ただし、ソフトを最新版に入れ替える場合は、ソフトのデータベースを最新版に更新しな
  いと、ソフトの最新版がインストールされません。それなので、「apt-get upgrade」の前
  に「apt-get update」を行いましょう。

  # apt-get update

 6.既にインストールされているいらないソフトを削除したい場合は、「apt-get uninstall
  ソフト名」と入力します。

  # apt-get uninstall ソフト名

 7.ソフトのパッケージ名を検索したい場合は、「apt-cache search わかっている部分」と入
  力します。

  # apt-cache search わかっている部分

  ex.kernel-image-2.6.8-i386というパッケージを検索する場合

    # apt-cache search kernel-image-2.6

 以上で、aptの説明は完了です。


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◆ taskselを使う 2004/10/4


taskselとは

 前回は、aptの使い方を説明しましたが、aptを使う場合は、ソフト名を知らないと使えません。そ
ういう場合に手っ取り早いのが、taskselです。taskselは、それぞれの使用目的毎に必要なパッケー
ジをまとめたものです。


taskselの使い方

 この作業は、インターネットに接続した状態で行ってください。

 1.root権限でログインし、「tasksel」と入力してください。

  # tasksel

 2.現段階では、次のメニューが表示されます。

  [ ] Desktop Environment
  [ ] Web server
  [ ] Print server
  [ ] DNS server
  [ ] File server
  [ ] Mail server
  [ ] SQL server
  [ ] manual package selection

 3.WindowsみたいなGUI環境で使いたい場合は、Desktop Environmentを選んでインストールすると
  いいでしょう。(インストールしたい項目のところで、[スペース]キーを押すと、*が付き、選
  択したことになります。)

 4.あとは、勝手に選択したものをインストールしてくれます。

 以上で、taskselの説明は完了です。この作業が終わったら、rebootして下さい。途中で聞かれた
XFree86の設定がうまくいっていれば、GUI環境で起動します。これ以降は、XFree86が使え、Gnomeが
動いている環境であることが前提になります。


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◆ 日本語フォントを入れる 2004/10/5


 前回は、taskselの使い方を説明しました。今回からは、XFree86上でGnomeが起動していることが前
提となります。まず、手始めに日本語フォントのインストールと設定を行います。これは、日本語環
境をこの後、構築していきますが、その時に文字化けしないように事前に入れておく必要があるからで
す。あと、作業には、ターミナルソフトを使います。

日本語フォントのインストール & 設定

 この作業は、インターネットに接続した状態で行ってください。

 1.root権限でログインし、aptでx-ttcidfont-conf、ttf-kochi-mincho-naga10、ttf-kochi-gothic
  -naga10をインストールします。

  # apt-get install x-ttcidfont-conf ttf-kochi-mincho-naga10 ttf-kochi-gothic-naga10

 2.インストール時に、メッセージが出てきたら、「xtt」を選んでください。

 3./etc/X11/XF86Config-4のSection "Files"、Section "Module"に以下の記述をします。

  # vi /etc/X11/XF86Config-4


  Section "Files"

   FontPath "/var/lib/defoma/x-ttcidfont-conf.d/dirs/CID"
   FontPath "/var/lib/defoma/x-ttcidfont-conf.d/dirs/TrueType"

  EndSection

  Section "Module"

   #Load "freetype" ※これは、既に記述されているので、「#」を先頭に付ける。
   Load "xtt"

  EndSection

  ※viについて

   編集作業(文字の入力、削除)などを行う時には、必ず、[ESC]キーを押してから、行う編集作業に
   該当する次のコマンドを入力してから、編集作業を行ってください。

   ・現在のカーソル位置から文字を入力 [i]
   ・現在行の前に行挿入 [O]
   ・現在行の次に行挿入 [o]
   ・一文字削除 [x]
   ・一行削除 [d][d]
   ・一行コピー [y][y]
   ・ペースト [p]
   ・変更操作の取り消し [u]
   ・ファイルの保存 [:][w]
   ・保存して終了 [:][w][q]
   ・強制終了 [:][q][!]

   作業中、どこをいじったかわからなくなった場合は、強制終了して、はじめからやり直しましょう。
   ちなみに、強制終了とは、保存するかどうかの警告なしに保存せずに終了してしまうことです。

 以上で、日本語フォントの設定は完了です。


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◆ 日本語入力環境の構築 2004/10/5


 前回は、日本語フォントの設定を説明しました。今回は、日本語の入力環境を設定しようと思いま
す。選べる日本語入力ソフトは、canna、Freewnn、skk、Anthy、PRIMEとありますが、今回は、Anthy
を使おうと思います。相棒は、uimです。

 ※本当は、いつも通り、cannaにしようと思ったのですが、Emacsでegg+cannaの組み合わせでエラー
  が出て、日本語入力ができませんでした。YC+cannaならば、Emacsでも日本語入力できるみたいで
  すが、今回は、Anthyに挑戦してみることにしました。

ローカライズ

 この作業は、インターネットに接続した状態で行ってください。

 1.root権限でログインし、aptでlanguage-env uim anthyをインストールします。

  # apt-get install language-env uim anthy

 2.「Configuring Locales」で、以下のものを選んで下さい。

  # dpkg-reconfigure -plow locales

  [ ] en_US.ISO-8859-1
  [ ] en_US.ISO-8859-15 ISO-8859-15
  [ ] en_US.UTF-8 UTF-8
  [ ] ja_JP.EUC-JP EUC-JP
  [ ] ja_JP.UTF-8 UTF-8

 3.どの文字コードを標準で使うのか聞かれたら、「ja_JP.EUC-JP EUC-JP」を選んで下さい。

 4.一般ユーザー権限で、user-ja-confを起動して下さい。

  $ user-ja-conf

 5.ローマ字で質問が表示されるので、内容を読み、答えていって下さい。基本的には、「Y」と「4」
  だけで大丈夫なはずです。

 6.最後に、[Enter]キーを押すように指示がでます。その文章の前に、追加インストールするパッケ
  ージが表示されるので、メモしておいてください。

 7.root権限で、aptでメモしておいた追加インストールするパッケージをインストールしてください。

  # apt-get install 追加のパッケージ

  ※追加パッケージは、複数になると思います。複数のファイルを一度にインストールするには、パ
   ッケージ名の後にスペースを空け、次のパッケージ名を入力してください。

  ex.emacs21とxemacsをインストールする場合

   # apt-get install emacs21 xemacs


IMEの設定

 1.~/.xsessionの内容を~/.gnomercにコピーします。

  # cp ~/.xsession ~/.gnomerc

  ※「~」とは、それぞれのユーザーのホーム・ディレクトリを表します。rootの場合は、ホーム・
   ディレクトリは、「/root」になります。一般ユーザーの場合は、「/home」以下の各ユーザー名
   のディレクトリになります。例えば、ユーザー「hoge」の場合、ホームディレクトリは、「/hom
   e/hoge」になります。

 2.~/.gnomercの「日本語入力(XIM)の設定」個所を修正します。

  # vi .gnomerc

 3.「日本語入力(XIM)の設定」の項目に書かれているもの全ての先頭に「#」を付け、以下を付け加え、
  保存します。

  export XMODIFIERS="@im=uim-anthy"
  export GTK_IM_MODULE=uim-anthy
  /usr/bin/uim-xim &

 4.コンピュータを再起動します。


確認作業

 1.emacsを起動します。

  $ emacs

 2.[ctrl]+[\]キーを押し、日本語入力してみます。変換は、[スペース]キーで行います。

 3.問題なければ、[ctrl]+[x]+[c]で終了します。

  ※[ctrl]キーを押しながら、[x]キーを押し、[x]キーから離した指で[c]キーを押し、[ctrl]と[c]
   キーの指を離します。

  ※問題があった場合は、anthy-elがインストールされていない可能性がありますので、anthy-elを
   インストールしてください。

 4.xemacsを起動します。

  $ xemacs

 5.[ctrl]+[o]キーを押し、日本語入力してみます。変換は、[スペース]キーで行います。

 6.問題なければ、[ctrl]+[x]+[c]で終了します。

 7.mozillaを起動します。

  # mozilla

 8.[shift]+[スペース]キーを押し、日本語入力してみます。変換は、[スペース]キーで行います。

 9.問題なければ、終了してください。

以上で、作業は終了です。


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◆ サウンドカードの認識 2004/10/5


 前回は、日本語環境の構築を説明しました。今回は、サウンドカードの認識をしようと思います。
認識させるカードは、cs4232です。一応、起動時のログを見ると、カード自体は、ossでcs4232と認
識しているみたいですが、肝心の音が鳴りません。

 今回は、ossでなく、alsaで音を鳴らしてみたいと思います。ちなみに、使用しているカーネルは、
2.6.8-1で、カーネル2.6系からは、alsaは、カーネルに組み込まれています。

alsaのインストール & 設定

 この作業は、インターネットに接続した状態で行ってください。

 1.root権限でログインし、aptでalsaをインストールします。

  # apt-get install alsa

  ※alsaを選ぶと、alsa-base、alsa-utilsがインストールされます。

 2.alsaconfで、alsaの設定をします。

  # alsaconf

 3.CS4232の場合、ISAPNPなので、「PCI、PNPで認識されないカードが見つかりました」というメッセ
  ージが表示され、自分で自分の該当するサウンドカードのドライバーを選んで組み込むことになり
  ます。今回は、cs4232です。認識時に、スピーカーからピッ、ピッという音が鳴ります。

 4.これで無事認識されるはずです。

 5.CD-ROMドライブに音楽CDを入れ、Gnomeのメニューから「アプリケーション」→「マルチメディア」
  で「CDプレイヤー」を選び、演奏します。この時点では、音が出ないはずです。

 6.Gnomeのメニューから「アプリケーション」→「マルチメディア」で「サウンドレコーダー」を選び
  ます。「消音」のチェックが入っているもののチェックを全て外します。そして、音量を調整します。
  たぶん、左から二番目のAUXの調整を上に上げると音が鳴るはずです。

以上で、作業は終了です。


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